2012年7月15日日曜日

TPP反対屋の虚構


三橋貴明、中野剛志、東谷暁、関岡英之、さらにはチャンネル桜、"政治団体"「頑張れ日本!全国行動委員会」、そしてJA(農協)、日本共産党らがしきりにTPPに反対する理由は何なのでしょうか?



「TPPで日本の農業は壊滅する」「日本から水田が激減する」「モンサント社が~」「BSEが~」などといった話をよく聞きますが、果たして、どこまで事実なのでしょうか?

あるいは、何か大きな利権、重要な事実関係の歪曲・隠蔽や、彼らの統制経済へ憧れからくるものがあるのでしょうか?

以前に当ブログでは三橋貴明や中野剛志の「TPP亡国論」のデタラメぶりを特集しましたが、さらに踏み込んでみたいと思います。

今回は特に大きな問題である日本の農業について、TPP反対派の虚構を暴いてみたいと思います。



【三橋貴明、週刊金曜日、日本共産党ら、"オール左翼"の主張】

①「デフレだから自由貿易に反対」
三橋貴明のブログより
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11299395025.html
「そもそも、TPPなどの自由貿易協定は、『供給を増やす』発想であり、デフレを深刻化させる。TPPに入ると『物価が下がりますよ』などと煽っている愚かな連中がいるが、デフレの国が物価を押し下げる政策をやって、一体どうするのか?」

⇒馬鹿につける薬はないですね。

「供給を増やす」主体は民間部門であり、政府部門の仕事ではありません。
要するに「作るな」と為政者が民間部門に命令することになります。

以前も言いましたが「デフレ期だから保護貿易」「インフレ期だから自由貿易」なんてことをするのは、統制経済信奉者でしかありえない発想です。

「インフレ期」に海外に生産拠点を持ったメーカーが「デフレ期」にいきなり高額の関税を掛けられたり、あるいは海外部門からの必要な部品調達ができなくなったらどうするのでしょうか?

つまり「民間人はバカだから、オレ様が市場に命令してやる」ということですね。

三橋貴明は、相当自分の学識や実務経験に自信があるのでしょう。


14年間に10社を転々とした経歴について
https://twitter.com/tk_mitsuhashi/statuses/10768689780

(逃げられないように魚拓)
https://twitter.com/tk_mitsuhashi/statuses/10768689780

本人曰く、「10回の転職は全て正社員だった」

三橋本人のみならず、自民党も、このような候補者を立てたことについて、説明責任を果たすべきですね。経歴詐称だと思うのは、私だけでしょうか?



三橋貴明のモンサント社陰謀論 『住友化学とモンサントの「長期的協力関係」に愕然とした方は、↓このリンクをクリックを』
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/day-20111021.html
三橋貴明のブログには上記のことが書かれています。
要するに、遺伝子組み換え食品がいけないらしい。


どっかで似た主張を見たことがあるなぁ、と思っていたら、奇形の極左雑誌「週刊金曜日」に同じことが書いてありました。

週刊金曜日ニュース TPP拙速議論に反対の声が高まる一方……推進派・米倉経団連会長は利害関係者
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1337

ついでに、日本共産党の「しんぶん赤旗」も同様
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-03-19/2012031906_01_1.html



『TPPで損をするのは農業』
三橋ブログより
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10809069793.html
『貿易自由化で安い食料が輸入されれば消費者は恩恵を受ける。だが、輸入品が安くなると競合する国産品が洵汰され、雇用が失われる。例えば、国産米や国産牛が安価な米国産米や米国産牛との競争で駆逐され、コメ農家や畜産農家の多くが失業する。さらに、例えば牛丼が安価になれば、競合する他の食品産業は人件費のカットで対抗するため雇用を削減する。農家や食品関連産業で失業者が増えれば、労働市場全体が供給過剰になり実質賃金が下がる。そして、日本が10年以上も苦しむデフレが悪化するのだ』


いい加減にしてほしい。「何を食べるか」「何を消費するか」を決めるのは消費者であり、為政者に強制されるものではありません。

売り手は、買い手が満足するものを提供するのが仕事。

それを否定するのは、計画経済以外の何ものでもありません。
必然的に闇経済の助長と、中共や北朝鮮のような悪性超格差社会の到来をもたらします。




【解毒薬】
以下の主張をご紹介します。


『ハイエク、ハイエクを語る』(名古屋大学出版会)

すべての関税と農家への価格パリティーを廃止すれば、隷従への道を回避する確実な手段となるでしょう」(137頁)



『隷属への道』(F.A.ハイエク著、春秋社)

・「経済的自由の放棄と隷属とは、相互に切れない関係にある」(8頁)
・「統制経済体制・社会主義と対比させながら主張する個人主義とは、利己主義や自己中心主義とは何の関係もない」(9頁)





『ハイエク全集Ⅱ-4 哲学論集』(F.A.ハイエク著、春秋社)


「人間の知がもつ克服不能の限界についての認識から、社会を研究する者は謙虚さの教訓を学ぶべきです。その教訓は、社会をコントロールしようという破滅に導く奮闘の共犯者になってしまうことを防いでくれるでしょう。その奮間は、彼を仲間にたいする暴君にするばかりでなく、どんな個人の脳によっても意図して作られた訳ではないが何百万人のの個人の自由な努力から育ってきた文明の破壊者にしてしまうのです」(90貢)





『日本の農業が必ず復活する45の理由』(浅川芳裕著、文藝春秋)



「遺伝子組換(CMとは、消費者が心理的に抵抗のある言葉の代表的なものの」と言えるでしょう。一般のマスコミではそれをいかに排除するかという話題を取り上げています。
イメージはそうでも、事実は意外です。GM作物は農産物の中で唯一、安全性が公認されている食品なのです。

(中略)

もちろん、GM作物もあらゆる食べ物と同じくリスクはゼロではありませんが、GM作物はリスク評価を終えないかぎり出回らない点は他と異なります。CM作物を食べることで、健康被害があった例はこれまで報告されておらず、流通しているもので危険性が心配されるような科学的な根拠も.切ありません。それでも「歴史が浅いからまだ分からない」、「人口的な改良だから不安」と拒否反応を示す人がいます。
それを言い出せば、現在私たちが食べる農産物、畜産物はほとんどすべて、人工的に交配したものか、人工的な突然変異によるものです。そもそも、摂取したGM食品のたんばく質は消化されれば体内に蓄積しませんし、むろん、子供に受け継がれることもありません。


(中略)

すでに私たちはふだんの食生活で″GM食品″をたくさんとっています。「スーパーでの買い物では『遺伝子組換不使用』ラベルしか見たことがない」と反論する方もいらっしゃるでしょうが、これはまぎれもない事実です。国産牛や豚、卵には、GM食品とは書かれていませんが、家畜の大部分は米国産GMトウモロコシをエサに食べています。食用油の原料になる大豆や菜種もGMが大半を占めています。
飼料用や油用には表示義務が無いため、私たちは知らないだけです。義務が無いのは、油はタンパク質を含まないからです。原料がGMか非GMかによる成分の違いが皆無だから、表示する理由が無いというわけです。畜産物も同じ理由で義務がありません。家畜はGM作物を食べていますが、体内にそのタンパク質が蓄積されないためです。
豆腐や醤油、納豆などにもGM大豆が一部使われていることがあります。「非遺伝子組換大豆」と書いてあっても、ゼロという意味ではありません。5%未満の使用では表示義務が無いのです。「ゼロにしろ」との主張もありますが、そう簡単ではありません。
日本は大豆の7割をアメリカから輸入していますが、アメリカ産の91%がGM大豆です。
非GMのほうがマイナーという状況で、日本の商社はアメリカの農家にプレミア価格を支払ってわざわざ非GM大豆を作ってもらっている状況です。混入がないよう特別に区分けして物流をさせていますので流通コストも余計にかかります。


(中略)


いろいろな心配をする人がいる中、どうしてGM作物が作られるのでしようか。一言で言えば農家が楽になるからです。仕事量が減るのです。たとえば、今までは農薬を生育中に5回撒く作物の場合、その回数だけ畑に入らなくてはなりません。それだけトラクターを動かしますから、燃料代や人件費もその分必要になります。そこで、除草剤抵抗性を持つGM大豆を導入すると、 一回除草剤を撒けば、あとは収穫まで畑に入らなくても大丈夫です。コストは節約できるし、品質も良い。その間、他の作業もできる。今までの音労が劇的に減る上、面積当たりの収入が増えます。
農業とは人類にとって長年、草と虫と病気との戦いでしたし、今でもそうです。それを克服するかなり有望な技術が登場したのです。まさに農家にとっては天恵のような発明です。誰がいくら反対しようが、作る人の圧倒的な支持を得ているわけですから、GM作物は今後も世界中で増えていくことは間違いありません。
GM作物は農家のためだけではありません。途上国での栄養改善にも役立てられています。経済条件のあまり良くない国では栄養失調が蔓延しています。先進国ならサプリメントをとったり点滴を打ったりできますが、そんな余裕はありません。そういうとき、たとえばビタミンAを強化したGMジャガイモを生産してもらい普及させます。ビタミンAの錠剤を作ろうと思っても、途上国では技術がなく工場投資する資金もなかったり簡単にはできません。でも、それが最初から作物の中に入っていれば、ただ栽培すればいいわけです。
農家が簡単に作れ、安く日常食として広げることで、栄養改善につなげようという試みです。(146貢~150貢)


要するに、
・遺伝子組み換え食品は普段から私達日本人が普通に口にしている。
・遺伝子組み換え作物が無くなったら、逆に食料品価格が暴騰する
・遺伝子組み換え作物は発展途上国の栄養改善にも役だっている
ということ。


これに反対しながら、遺伝子組み換え作物によって育ったお肉を食べ、日常的に醤油を使いているのが現状。
それが嫌なら、全て自給自足で、無農薬の食品のみを食べてね!
もちろん、コンビニ弁当なんて論外です!




(続く)