2013年1月3日木曜日

三橋貴明・中野剛志 vs 高橋是清


三橋貴明や中野剛志、その他チャンネル桜に巣食うアホな評論家もどきの詐術を、今回は高橋是清・元大蔵大臣に暴いてもらいましょう。


まず、三橋貴明のトンデモ論から

〈三橋貴明「高校生でも分かる日本経済の凄さ!」彩図社より〉

『日本を見ますと、国債の全ては日本円建て、つまり自国通貨建てで す。国債を販売した相手は、ほとんどが日本の金融機関、もしくは日本の個人投資家です。外国人の日本国債ホルダーは、わずかに6・4% (2009年3月末)でしかありません(こんな超低金利の日本国債を買うなど、奇特な外国の方がいるものです)。その上、日本国債の金利は、すでに十年以 上もの長期に渡り、世界最低水準を維持し続けています。
すなわち、日本は「政府が財政破綻するための条件」を、 一つたりとも満たすことができていないのです。マスメディアの皆さんにはお気の毒ですが、日本政府の財政破綻など、今後千年間くらいは起きないでしょう。
同時に、日本政府の借金を日本国民の税金で返す必要など、全くありません。そもそも借金の残高を減らす必要がないのに、なぜわぎわぎ返済しなければならないのでしょうか。しかも、国民の血税を使って。』(38頁~39頁)

日本国内で、「財政再建― 財政再建!」と叫んでいる人たちの、経済オンチぶりは凄いものがあります。(42~43頁)


〈中野剛志「国力とは何か」講談社現代新書より〉


『ケインズ主義的な財政政策は、政府による積極的な支出のことであるが、その費用も使益も、国民国家全体によって共有される。また、金融政策は、国民通貨の操作を通じ、国民生活全体に影響を及ぼす。ケインズ主義政策の発動は、階級差を越えてネイション全体に影響を及ぼすことで、需要のみならず、国民意識をも刺激するのである』(144頁)

『内国債の場合、政府が財政破綻する国債の債務不履行に陥る)ことはありえない。仮に将来の課税によって公的債務を返済しない場合ですらも、政府は借り換えを続けていけばよいのであって、全額返済して債務をなくす必要はないのである。なぜなら、政府(国家)は、民間企業や個人とは異なり、永続してなくならないと想定されているからだ。
(中略)
この内国債と外国債の違いをもたらしているものこそ、「国民」の概念にはかならない。民間企業や個人の負債や(外貨建ての)外国債とは違って、財政破綻のリスクから自由であるという特権を内国債に与えているのは、国民なのだ』(187頁~189頁)

『政府債務が内国債である場合は、財政破綻はあり得ない。それゆえ、健全財政論者のように、累積債務残高の大きさそれ自体を問題視することは無意味である』(190頁)



この売文業者(三橋貴明)、税金泥棒(中野剛志)の話と、高橋是清の話を比較してみましょう。


以下、神戸新聞 1935.7.27(昭和10)より
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00811764&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1

(転載はじめ)
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高橋蔵相の公債政策声明

放漫な公債増発は財政経済破綻の導因

全国民の研究協力に俟って円滑なる運行を期待



高橋蔵相は二十六日午前十一時三十分葉山御用邸に伺候、天機奉伺を終え一色の別邸に赴き八月末まで引続き同地に静養することとなったが右に際し蔵相は公債政策に関して左の如く談話の形式を以って声明を発した。

昭和十一年予算編成方針については曩に閣議の決定を経て公表した通りであるが之に対しては世間でも大体政府の意の存する所を諒として居られることと考える。
当時も述べた通り予算編成ということは単り大蔵省の力だけで解決すべきでなく各省の協力に俟たねばならぬ次第であるが更に進んで考える上財政の問題は国勢全般の解決の鍵であるから単り政府当局の手にのみ委すべきでなく国民全般の考究と協力に依らねばならぬ大問題と考える。

この見地からすると最近財政の問題殊に公債の問題が著しく世人の注意を惹くに至ったことは洵に結構なことであると考える。
我国財政の現状は今後或る期間に亘って毎年相当額の歳入補填公債発行のやむを得ざる状勢にある。
もし公債の発行が茲一両年でその必要がなくなるというようなことであるならば一時多額の公債の増発も或は差支えないと考え得らるるも若しこの先き何年となく歳入補填公債の発行を継続せねばならぬこととすると今年、来年という如き目前のことばかり考えず長きに亘って公債政策の行詰りを来す如きことなきような計画の下に進まねばならぬ理である。

若し今後に於て公債が一般金融機関などに消化されず発行公債が日本銀行背負い込みとなるようなことがあってはこれは明かに公債政策の行詰りであってその結果としては所謂悪性インフレーションの弊害が現われ国民の生産力は消費力と共に減退し生活不安の事態を生ずるに至る虞れがある。

故に今後継続し軍事、産業その他重要なる国家施設の実行を保証し又同時に産業の発展並に国民生活の安定を確保するがためには先ず以て公債政策の円滑なる運行を図ることが絶対の要件となるのである。

然るに昭和七年度以来毎年巨額の公債の発行にも拘らず今日までのところ幸いにその運用は理想的に行われ未だ公債に伴う実害を発生して居らぬ、却って金利の低下や景気回復に資せるところが少くない。世間の一部にはこの効果に着目し公債は何程発行しても差支えなきものであるかの如く漠然たる楽観説を抱いているものもあり又今日政府の執っている公債政策の如きは未だ不充分であってどしどし公債を増発して国家の経費を大いに膨脹せしむべしと説くものもあるようである。然し乍ら公債の過剰発行に依る財政経済の破綻に就てはヨーロッパ大戦後多数の国にその実例を存するところであって公債は何程発行しても差支えなしと論ずるが如きはこの最近の各国の高価なる経験を無視する議論である。

抑々昭和七年度以来の公債政策が円滑に運行されたことについては重大なる原因がある。即ちその発行につき手段方法を改めたることもその一因と目すべきであるが公債の発行額が民間産業資金等との関係上金融機関の消化能力の範囲内に止まるを得たること及び昭和八年度以来歳入補填公債は年々幾分ずつ減少し財政に対する国民の信用の維持されたること並に通貨統制が理想的に行われ物価及び外国為替相場は安定し延いては我国近時の産業貿易の異常なる進展に資したること等を以て根本原因と見なければならぬ。
今迄公債に関する政府の考え方と著しく異なる意見が世間に流布されているようである。その一例を挙げてみると国債は国民の債務なると共にその債権なるを以て国債の増発も国民全体としては『財』に増減がない故に内国債の増加も国民負担の増加にあらず何等恐るるに足らずとの論である。是は国債を通じ債権と債務が併存すると云う事実だけはその通りであるが、然るが故に国債が増加しても財政上並に国民経済上差支えないという結論が簡単に出て来るものではない。国家の財政もその機能に於て国民経済活動の一部を構成すると共に独自の存在を有するものであって財政としての組織が保持せられなければ軍事、外交、産業そのほか国家特有の活動を継続保障することが出来ない、また常識より考えても国家その他の公共団体の経済たると個人経済たるとを問わず借金政策の永続すべからざることは当然である
公債増発に伴って利払い費は漸増し租税その他の収入もその利払いに追われる結果となるであろう。
斯の如き事態が生ずると国費中公債に依る部分が益々多くなり財政の機能わ行詰りに陥らざるを得ない。斯の如き状態になると国家財政の信用を維持し難く公債の消化は行詰り結局印刷機械の働きに依り財源の調達を図らざるを得ざるに至るのであって、かくの所謂悪性インフレの弊は必至の勢となるであろう。故に公債の問題は単なる国内の債権、債務の均衡というが如き狭い見地から是非を論断することが出来ないのである。
その他の異説についても事物としては一面のみを見て国家社会全般に対する影響を忘れたる議論が多いようである、前にも述べたる如く研究は大いによろしい、斯くて国民全体の協力によって永続性ある国家の発展策を確立したいと考える。



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(転載終わり)



売文業者の詐術に騙されている人は、頭を冷やして欲しいです。

特に、安倍晋三氏は、日本国総理大臣という立場にあるだけに、あとから「ごめんなさい」で済まされる問題ではありません。
民主党や維新の会よりマシだとはいえ、あまりにも脇が甘すぎます。



『NHKのコメンテーターレベルお粗末すぎ。藻谷氏といい藤原氏といい今まで言ってきた事もう一度検証したら恥ずかしくて人前にでれないでしょう。藻谷氏はデフレの原因は人口減少とか本に書いてましたが、人口減ってもデフレに陥っていない国はいくらでもあります。この前フジテレビで完全論破しましたが、恥を知れといいたいですね。香山リカしは論外』


香山リカは論外として、藻谷浩介氏はエリート中のエリート、その道(財政・金融・経済問題)の専門家で、その学識と経験は成蹊大学卒の安倍晋三氏の及ぶところではありません。安倍氏率いる自民党は昨年末の選挙で大勝したとはいえ、民主党と維新の会の自滅で漁夫の利を得たに過ぎないことへの自覚がないのでしょうか?


当ブログの読者様の次のご意見に傾聴すべきでしょう。


http://megu777.blogspot.jp/2011/10/blog-post_22.html#comment-form


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はじめまして。私も三橋にだまされていたものです。

彼の正体はあなたが想像されているとおりでしょう。

三橋ブログの正体はただの怪しげな情報商材サイトや催眠商法と変わりません。
彼は早くつぶさないといけません。



17 件のコメント:

  1. このブログで言われていることが大多数のマスメディアで言われていることとほぼ等しいことからmegumiさんのブログの内容が正しいことがよくわかります。

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  2. 三橋のような連中はすぐ高橋是清を持ち出し、トンデモ理論に利用しますが、都合の悪い情報は切り捨てますね。

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  3. こういう定性的な事はいいから、経済を語るなら具体的な
    数字を出して語ってくれないかな?

    三橋氏も中野氏も日銀が1000兆円通貨を発行して国債を買い取れとか、
    政府が1京円国債を刷れとか言ってる訳じゃないだろ?

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  4. デフレ下では政府が金を刷って借りて使う
    政策は当たり前です

    昭和6年、世界恐慌下の日本は当然デフレで
    国債発行による財源調達と積極的な財政支出政策により
    いち早く経済を回復させます
    それは放漫財政ではないですよ?

    その記事、昭和十一年ですね
    軍費が一般会計予算の50%を占めていたころです
    当然これは放漫財政で
    高橋是清はこれに反対し、昭和11年の二・二六事件で
    殺害されます
    あまりいい加減な事を書かない方がいいですよ

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  5. 通行人兼ブログ読者2013年1月22日 9:58

    megumi様、こんにちは。
    コメント欄をお借りします。

    経済論は取りあえず横に置いて、三橋支持者の皆さんにお尋ねします。

    支持者の皆さんは、三橋氏の経歴を本当に信じていますか?

    1、三橋氏は、1969年生まれで1994年大学卒業。24歳(かな?)で卒業。
      浪人か留年か分かりませんが、転職の際、履歴書で少し不利になります。

    2、14~15年間で、転職回数10回に成功。
      この短期間で、この転職回数は、一般的に転職活動には、非常に不利となります。
      採用担当者からは、堪え性の無い性格または単なるトラブルメーカーと冷たく判断されます。
      
    3、しかも全て正社員。
      

    4、持っている目ぼしい資格は中小企業診断士。しかも2004年に資格取得。
      大学卒業以来10年の間は、目ぼしい資格無し。
      この状態で転職10回、しかも正社員で転職成功できるんでしょうか?

    以上、私にはどうしても信じられません。
    例えば、英語堪能、かつ、公認会計士の資格を併せて有していたら、多少は信じられるんですが・・・

      
    また、経歴とは別に、次の点も尋ねたいです。
    三橋氏の著作を読んでも、大学時代の話、会社員時代の失敗、同僚や友人達との会話、
    中小企業診断士としての成功談など、こうしたエピソードが見当たりません。
    したがって、どうもリアリティを感じないんです、三橋氏の話には。
    この点は、私の認識不足かもしれませんので、適当な著作なりサイトなりがありましたら、
    ご紹介ください。

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    1. 確かに、仰るとおり、三橋貴明は本でもブログでも、実際の実務の話は一切しませんね。しないというより、できないのでしょう。

      知人に経営コンサルタントがいますが、その道のプロは、忙しくて、本業と関係無い話を2ちゃんねるに書き込んでいる暇も、毎日ブログを更新する暇もありません。

      三橋貴明に限らず、廣宮孝信や渡邉哲也など三橋貴明のコピーも同様に、単なるニート崩れとしか思えないのですが、信者には神様のように見えるようですね。

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  6. megumi様お久しぶりです。こちらのコメントさせていただくのは久しぶりですね。今更ながら、最近三橋理論と平和主義者の論法の共通点を発見しました。それは利率が上がったらどうするか、と聞いても現状は上がっていないからどうやったら上がるのか、と答えるし、他国が攻めてきたらどうすると聞いているのに、攻めてこないように外交するという。この人たちは話の論点がズレていて話にならないということです。例えは悪いですが、もし交通事故で人をはねてしまったらどうするか、という質問に、安全運転で対処すると言っているようなものです。現実目の前に怪我をしている人がいてもこういったこと言えるでしょうか、この人ら。とにかく事前段階の対処しか考えず、事故が起きることも想定していない浅はかな人たちということですね。その上、財政問題はない、他国は攻めてこないと理屈をつけて、現実を見ないところまで共通しています。

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    1. まるで、戦時中に早期講和を唱える人を「非国民」扱いして一億火の玉だとか神州不滅と叫んでいた連中と同じですね。

      共産党も社民党も「子供手当の財源はある」と豪語していた民主党も三橋貴明も、根は同じですね。

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  7. 平和主義は思想のはなしであって、三橋貴明氏は国民経済を発展させる経済理論を展開しています。
    政治思想と経済理論は比較対象できない内容をこじつけて変な文章を書いていますね。
    ノーベル経済学賞を獲得したクルーグマン教授も三橋貴明氏と同様に財政出動と金融緩和のセットパッケージを現在のデフレの対策として実行すべきだといっていますし、トンデモ議論をされているのはこちらのブログの主ではないかと考える次第です。

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  8. http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

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  9. 中立の立場から見て中野、三橋の完勝です。書いていることが勉強不足なのか意図的な嘘なのか(失礼ですが疑ってしまいます)?。これだけの資料を集められるのであればもう少し発言の年代や意味、その時の社会事情を整理してから再度このお題でリベンジしてみてください。頑張れ

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  10. >藻谷浩介氏はエリート中のエリート、その道(財政・金融・経済問題)の専門家で、その学識と経験は成蹊大学卒の安倍晋三氏の及ぶところではありません。

    ???

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  11. 三橋さんの過去の経歴とかどうでも良くないですか?

    中野さんも三橋さんも言ってることはまともです。

    文句があるなら、経歴がどうとかじゃなくて、内容で議論しましょう。

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  12. > 三橋さんの過去の経歴とかどうでも良くないですか?

    興味深かったです。

    > 中野さんも三橋さんも言ってることはまともです。

    発言のすべてがまともとはとても思えません。

    TPP反対において、ISD条項が毒素条項だという主張は論理的飛躍があり、あまりにいい加減すぎると思います。

    これに気づいてからの発言がすべて信用できなくなりました。

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  13. マクロ経済に関してのそれは、総じて仮定や
    推論の域を出ていない。
    高尚な経済論もちまたの経済評論も50歩100歩
    であることは歴史が語っている。
    三橋氏の主張も、所詮有限内の数字や統計を
    区間的に分析しているに過ぎず、彼が主張し
    ていること実施してみなければ、その真偽も
    また誰にもわからないだろう。

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  14. なんだ単なる三橋嫌いじゃねーか。期待したのに
    インフレとデフレで同じ政策するわけねーじゃん

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  15. 私は、きちんと働いて裕福な生活がしたいです。
    周囲の人であっても同じです。

    そのためには、適度に経済成長する日本であってほしいです。

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