2018年3月25日日曜日

悪魔の思想 ~池上彰、吉野源三郎、山本有三、黒柳徹子

今から20年以上も前のことになりますが、谷沢永一・関西大学名誉教授が『悪魔の思想―「進歩的文化人」という名の国賊12人』という本を出版されました。

その本の中で谷沢教授は、「戦後民主主義」という共産主義を悪魔の思想と断じ、その大ネズミとして大内兵衛、鶴見俊介、丸山眞男、横田喜三郎、安江良介、久野収、加藤周一、向坂逸郎、竹内好、坂本義和、大江健三郎、大塚久雄の12名の悪事を証拠付きで暴いておられました。

これら12名はかつて論壇や学会で猛威を奮い、今も我が国はその計り知れない悪影響を受けておりますが、現在の一般的な日本人で彼らの名と悪行を知る人は少数となっています。

彼らに比べると遥かにIQが低いのですが現在の日本では連日のようにテレビで猛威を奮う池上彰(教条的共産主義者)と、池上によりゾンビの如く蘇った吉野源三郎を中川八洋・筑波大学名誉教授が暴いておられます。

当ブログでは、中川教授のご厚意により許諾を得た上で、ご紹介させていただきます。
(なお、このブログ内では黒柳徹子山本有三にも若干の言及をされておりますが、私自身もいずれこの両名の偽善と悪魔性を暴いてやりたいと思っています)


《以下、中川八洋教授のブログから転載》


“共産党員”吉野源三郎のベストセラーに狂喜する『文藝春秋』誌の真赤な怪気炎──『君たちはどう生きるか』は子供達を“共産革命戦士”に洗脳養成する“赤化教本”

吉野源三郎とは、戦後日本にソ連軍を侵略させて日本をソ連が無限に収奪し続ける“国家喪失地獄”に叩き落さんとした、悪魔が縮こまる“凶悪な共産主義者”であった。そんな狂気のスターリン教徒が、日本の子供たちを“ソ連人=狂気の共産革命の戦士”に改造するために書いた赤化・洗脳教本『君たちはどう生きるか』が、漫画版だが、今、超ベストセラーになっている。すでに170万部を突破したという。

 吉野源三郎のような札付きの共産党員の本は、エチオピア農民婦女子150万人の餓死処刑に加担した“極悪非道の殺人鬼”黒柳徹子の『窓際のトットちゃん』でもそうだったが、なぜか必ず超ベストセラーになる。誰しもこのからくりを知りたいだろうが、この問題は、ここでは扱わない。

 1937年7月に新潮社から出版された『君たちはどう生きるか』は、ちょうど“究極のスターリン狂”で共産主義者・近衛文麿が、「対蒋介石戦争」を開戦した1937年7月と同じ年/同じ月であった。「対蒋介石殺害戦争」を、当時も「日支事変」だと偽装語で誤魔化し、戦後もまた「日中戦争」だと嘘ラベルを張った。が、近衛文麿が日本国民を騙して日本の国費と日本の若者の命を蕩尽した「八年間の対支戦争」は、中国共産党の毛沢東に依頼されるままに、“反共の蒋介石”を殺害して支那全土を毛沢東の手に渡すことを戦争目的とした戦争だった。

 そればかりではない、吉野源三郎に少年用赤化洗脳教本の書き方を教えたコミュニスト山本有三が、大東亜戦争を煽動して昭和天皇/吉田茂など親英米派・大東亜戦争反対派を封殺した朝日新聞に『路傍の石』を連載開始したのも、この1937年であった。山本有三は、河上肇の直系で“日本のスターリン細胞のボス”近衛文麿グループの一味であった。人脈図を描けば、「吉野源三郎──(少年を共産革命戦士に改造する教本の書き方の師弟関係)──山本有三──(ソ連軍の日本侵略誘導の赤化集団)──近衛文麿」ということになる。つまり、吉野源三郎とは、東アジア共産革命戦争(=「大東亜戦争」)のれっきとした一味で、悪魔そのものの“スターリンの犬”だった。

 なお、『君たちはどう生きるか』は、一時的に目を患った山本有三に代行し、ピンチ・ヒッター的に吉野源三郎が書いたもので、山本有三が企画編集した(1935年に第一回配本の)全十六巻「日本少国民(=「少年少女」のこと)文庫」の最後の配本第十六冊目であった。また、この「日本少国民文庫」シリーズは、日本の若者をアジア共産化革命の“祖国叛逆”大東亜戦争に駆り立てるべく、山本有三が近衛文麿に依頼されて企画出版したと考えられる。

 コミュニスト山本有三もコミュニスト吉野源三郎も、大東亜戦争の八年間にわたり一度も、小声ですら大東亜戦争に反対していない。心底からアジア赤化の大東亜戦争に狂喜乱舞していたからだ。


“凶悪なスターリン狂”吉野源三郎や山本有三がせせら笑った“ザル法”治安維持法


 これほどに露骨な共産主義者・吉野源三郎や山本有三が、治安維持法で拘禁もされず、のうのうと共産革命に洗脳・教宣する本を書き続けられたのは、治安維持法がザル法の無能・無力だったからである。今もバリバリの現役法律である、米国連邦法の共産主義者弾圧法communist control actと比較すれば、治安維持法の杜撰さ/甘さはひどすぎた。が、これも本稿の任ではない。

 ここで問題とすべきは、少年達への『君たちはどう生きるべきか』『路傍の石』等の赤化教宣本が(注1)、帝国陸軍・海軍内の共産主義将校が決行した“共産革命軍事クーデタ”「1932年の5・15事件」「1936年の2・26事件」に呼応して日本国内に噴出した共産革命熱の一環であった歴史事実の方だろう。要は、『君たちはどう生きるか』は、1932~7年の日本型共産革命の勃発と蔓延を今に記録する革命本の一つ。また当時の、共産革命に狂った東京帝大文系卒の狂気を示す証左の一つ。

 “赤の養成所”東大文学部独文科/哲学科は、日本自身が、戦後すぐ「A級戦犯」として解体・廃止すべきであった。いや今からでも遅くはない、『君たちはどう生きるべきか』のベストセラーを機に、とび抜けた赤い馬鹿教師&超アホ学生のプレイグラウンドで“日本国を毀損する有害・有毒学科”東大文学部哲学科&独文科は、税金の無駄遣いだし、直ちに廃止を決断し断行しようではないか。

 吉野源三郎とは、スターリンとソ連のために日本国の全てを奉納したい、そのことだけに人生を捧げた“ソ連人”であった。非・日本国民であった。これほどまでにスターリンを狂信した狂度は、オウム真理教の麻原彰晃に身命を捧げる、その狂った信者たちと寸分の相違もない。吉野源三郎が“永久に非在”の空無な「共産社会」を頭の中に描いては恍惚とした狂気の妄想は、オウム真理教信者の「ハルマゲドン」狂信よりも、凶悪さと残忍さとがはるかに目立つ。


あらん限りの悪事に狂奔して日本国を害し続けた“最凶のコミュニスト”吉野源三郎


吉野源三郎の戦前と戦後におけるイデオロギーには、変化が全くない。戦後の吉野源三郎が二十年間も編集長を務めた『世界』は、首尾一貫して日本の共産化、特に“ソヴィエト連邦への編入による日本の共産化”革命への参加を日本のインテリ層や旧帝大エリート学生に大々的に煽動し続けたが、この主張は、戦前の吉野が書いた旧制中学生向きの『君たちはどう生きるか』と完全に一致するし、その延長上にある。筋金入りの共産革命家として吉野源三郎は、蛇のように執念深く、絶対信条「ソ連こそ日本の宗主国」を墓場に入るまで唱え続けた。  

 世界の共産化を夢想しこの目標に驀進する共産革命家らしく、吉野源三郎は、狂信的なスターリン一辺倒の“ソ連「対日」偽情報工作員”でもあった。当然、“共産国の侵略戦争への日本の全面協力”を誘導する世論操作に専念したが、それは日本国民を騙して騙して騙し尽くす手法だった。具体的例を三つ挙げる。第一は、1950年6月を期して戦端を開くべく急ぎ準備中のソ連・北朝鮮の「対韓国侵略戦争」の、この勃発に際して、「韓国を防衛するだろう」在日駐留米軍の協力要請を日本は拒否しようとの呼びかけ。

 第二は、日本が第二次世界大戦の敗戦国だった地位から“戦勝国の占領を解除して主権を回復する”サンフランシスコ講和条約の締結(1951年9月)において、日本はソ連の言いなりになって“北方領土のソ連への割譲”と(ソ連の対日侵略準備としての)“四海峡の非武装化”を認めるべきだと、「日本の対ソ属国化」を公然と大々的にキャンペーンしたこと。

 なお、四海峡とは、宗谷海峡、津軽海峡、根室海峡、対馬海峡のことで、これらの地点でのソ連軍の上陸作戦を無傷で行えるよう海峡に面する日本領土内を非武装化しておくよう、1950~51年のソ連は(属国視していた)日本に公然と要求した。と同時に、1950年頃からソ連は地下工作を通じて吉野源三郎ら“日本人「対日」ソ連工作員”に対し、北方領土の全面放棄と四海峡非武装化という二つの対日講和条件を日本国民のほとんどが「支持する」よう洗脳せよと、密かな命令も下していた。

 米国や自由諸国だけではなく、「上記の二条件を絶対とするソ連とも講和条約を締結しよう」との全面講和論の実態は“日本全土がソ連邦に併呑される前段階の状態になる事”を意味していた。日本が「ソ連の第十六番目の共和国になる」ことを意味していた。だが、それを日本国の主権と独立の喪失とは捉えず、逆さにも飛び上がって歓喜したのが“ソ連人”吉野源三郎だった。

 吉野源三郎は、日本国民をこの地獄(=ソ連に搾取され放題のソ連植民地)へと騙して連れ込むべく、その呼びかけ人となるコミュニスト知識人集団(=「平和問題談話会」)を一大集結させた。吉野は、この“呼びかけ人コミュニスト知識人”五十六名を(注2)、当時十万部以上も購読されていて、社会的影響が抜群の雑誌『世界』の1950年3月号に掲載した。

 吉野源三郎は、天性の大嘘つきで、何でもかんでも現実を逆さまにする転倒語法の詭弁に長けた優秀なプロパガンディスト(偽情報専門家)だった。「平和問題談話会」署名者五十六名の名簿とともに、1950年3月号『世界』に掲載した吉野源三郎が原案執筆の「講話問題に関する平和問題談話会の声明」には、こうある。

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「(日本が米国など自由社会諸国とのみ講和して、ソ連ほか共産諸国と講和しない吉田茂路線は)経済的自立の喪失(となり、それ)がひいては政治的自立喪失の基礎となる事は、論議を要せぬところであり、国民生活の低下は固より、また日本は自ら欲せずして平和(=世界が共産化された状態、レーニンの定義する「ミール」)への潜在的脅威となるであろう」
「単独講和が約束するかに見える目前の利点よりも、日本の経済的および政治的独立を重しとす(べきである)」(注2、カッコ内中川)。
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1951年当時の国連加盟国は70ヶ国をはるかに下回っていたが、このうち四十五ヶ国が1951年9月8日に調印した。だが、“大嘘付きのペテン師”吉野源三郎は、この「45ヶ国との講和」を「一カ国との講和」だと強弁して「単独」という言葉を使っている。また、ソ連に日本国の領土を割譲し国防に不可欠な海峡防衛を放棄するとソ連に認める主権喪失=政治的独立の放棄を、逆さに「政治的独立」だと言い募る。

 “虚言の天才”吉野源三郎の大嘘はさらに続く。米国や自由社会との貿易のない、いっさいの市場も産業もない超後進国の支那本土の中共との貿易だけの方が日本の経済は豊かになり日本の国民生活は向上するのだと言う。「日本の経済的自立は、日本がアジア諸国、特に(毛沢東の共産)中国との間に広汎、緊密、自由なる貿易関係を持つことを最も重要な条件とし・・・この条件は(ソ連の言いなりの条件を飲む)全面講和の確立を通じてのみ充たされる」と(注2)、オウム真理教の狂徒以上の“スターリン狂徒”吉野源三郎は嘯くのである。


『君たちはどう生きるか』を解剖すれば、ソ連共産党「ピオニール」教本の日本版だった


吉野源三郎の「“共産国の侵略戦争への日本の全面協賛”を誘導する世論操作」の第三は、ソ連傀儡の共産ベトナム(=北ベトナム)の南ベトナムへの侵略戦争への熱い応援と、この南ベトナムを護らんとする同盟国米国に対する憎悪と罵詈讒謗を雑誌『世界』の永年にわたる中核主張にしたことであろう。これもまた、日本国民を騙して騙して騙し尽くすのが目的。  

 1960年代と70年代前半の雑誌『世界』をすべて捲るのは大変なので、吉野源三郎『同時代のこと―ヴェトナム戦争を忘れるな―』(注3)を紹介しておく。この一冊だけでも、上記第三の“吉野流”世論洗脳の一端を覗くことができる。  

 要するに、吉野源三郎には、国際法も無ければ、法的正義もない。共産国がこの地球上で増えるならば「善」、共産国の侵略を防衛することは「悪」となっている。そして、これが「吉野源三郎の倫理」の全てである。少年向きの小説『君たちはどう生きるか』は、この「共産主義者の倫理」を高らかに宣言するもので、一般通念上の倫理道徳においては“反・倫理の極み”の教宣書である。  

 『君たちはどう生きるか』は、二つのメッセージからなる。第一は、現実の社会にとって必然で不可避で必要な(だけど共産党が独裁権力を手にするまでの運動の中核を占める)“貧困と不平等”を、社会全体の方は捨象し、この事象のみに視野狭窄させ、これを不条理だと信じ込ませ、しかもそれを完全に解消できるとの狂妄に麻痺・狂気する“社会主義的人間・共産主義的人間の偏った思考”に嵌るよう仕向けていること。

 第二は、自由社会として現実には素晴らしい最高レベルの日本国を、暗黒の社会/地上の地獄(ディストピア)と言うべき共産社会に改造する革命の戦士になれと煽動し洗脳し教宣していること。

 紙幅の関係で第二番目だけを簡単に抉っておく。吉野は『君たちはどう生きるか』の掉尾でコペル君にこう結ばせている。

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「(共産社会や共生社会のように)全ての人がお互いに良い友達であるような、そのような世の中が来なければいけないと思います。(絶対真理のマルクス進歩史観に従えば)人類は今まで進歩してきたのですから、きっと今にそういう世の中に行きつくだろう(=共産社会・日本が誕生する)と思います。そして僕は、それに役立つような人間(=共産革命の戦士、ピオニール)になりたいと思います」(注4、カッコ内中川)。
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 日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』に次の論評が載っていた。共産党の革命戦士を養成する目的の洗脳書・煽動書『君たちはどう生きるか』がこれほどの超ベストセラーになったのだから、共産党としては感激止まらぬ様子である。

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「(同書は共産主義者の)倫理…を扱っていますが、(共産主義者が具有すべきこの)モラル(倫理の問題)だけでなく、生産関係、国と国との関係、貧困問題など(日本共産党がいま最重視する革命運動にぴったりな)社会を考えるテーマが詰まっています」(2017年8月29日付け、カッコ内中川)。
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“吉野源三郎ベストセラー化の応援団長”池上彰は、時代錯誤のレーニン狂徒


池上彰が『特別授業 君たちはどう生きるか』を、「別冊NHK100分de名著 読書の学校」シリーズで出版したのは、2017年12月だった(注5)。続けて池上は、『文藝春秋』誌2018年3月号(2月10日発売)でも、吉野源三郎の息子で“狡猾な共産党シンパ”吉野源太郎との対談と言う形で、“悪魔の共産主義者”吉野源三郎をさも“日本の教育にとって、現代の二宮尊徳”であるかにデッチアゲ、つまり神格化していた。  

 ところが知的に劣化し続ける現代日本人は、池上彰が前代未聞の教条的な共産主義者である初歩的な事実すら知らない。当然、“第二の吉野源三郎”を自認している池上彰が、次代の子供たちを赤化洗脳することにその共産主義者としての人生を賭けている事すら知らない。池上彰が古巣のNHKだけでなく無数の民放各局テレビで学校授業的な番組を放送しているが、それは彼が次代の日本人子供たちを共産主義者に洗脳し改造することを狙ってのこと。  

 現に、池上彰は、中高校生を誑かすために、マルクス『資本論』を逆さ解説した“恐ろしい反・経済のトンデモ本”を出版した。2009年に出した『高校生からわかる「資本論」』がそれ。この後篇が、“同志社大学黒ヘル出身の北朝鮮人”佐藤優との対談本『希望の資本論』(2016年)。

 『希望の資本論』のタイトルは、内容に従うなら、『日本を地獄と絶望に誘う資本論』であろう。だが、日本憎悪と日本人騙しに生きる“赤い悪魔”池上彰と“黒い悪魔”佐藤優は、これを転倒させ、「絶望とは希望である」とした。戦争と飢餓の共産ロシアに民衆を誘うためにトロツキーが考案したスローガン「戦争とは平和だ!」「飢餓や餓死こそがパンだ!」を文字っている。ジョージ・オーウェルが喝破した“共産主義者特有の転倒語法”である。

 池上彰にはまた、札付きの共産党員で反・貧困運動の湯浅誠(注6)そっくりの『日本の大課題 子供の貧困』がある。それは『しんぶん赤旗』と全く同じ論調で、池上が共産党に直属する教条的な共産主義者である証拠となっている。池上彰には、この「共産党に直属する教条的な共産主義者」以外の顔や思想は存在しない。  

 学識・見識・良心をいっさい欠いた西瓜のような頭の中を、抜きんでた“子供騙しの話術”で隠して、慶大経済学部卒という事実上の無学・無教養な“本多勝一を尊敬する真赤な嘘つきジャーナリスト”池上彰にとって(注7)、経済思想などチンプンカンプン。現に池上は、“無知と恥知らず”の迷彩服を着て“嘘の弾”を連続速射する得意技をフル活用し、次のように語る。

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「マルクスの『資本論』を今改めて読み直すと、《140年前のことを書いたのに、まるで今のことを言っているようだ》ということがいろんなところに出てきます。社会主義が勝手に崩壊してしまったのを、資本主義が勝ったんだというふうに驕り高ぶって、昔の資本主義に先祖返りしてしまって、結局、マルクスが書いていた頃の『資本論』の時代に戻ってしまった」(注8)。  
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 ソ連邦の崩壊は、レーガン米国大統領がなした核戦力と海軍力の大増強でソ連を“包囲 encirclement”したことによる。ソ連は、恐怖の余り東欧を解放し、この“退却の慣性”が、(プーチンが回顧しているように)自らの共産主義体制=宗教国家を有害無益だと決断するのを後押した。つまり、社会主義が勝手に崩壊してしまったのではない

 第一の主因は、レーガンの対ソ軍事力による巻き返しに対する恐怖、つまり米国との全面核戦争への恐怖。第二の主因は、アンドロポフ議長ほかKGB第二総局の(プーチンもその一人だが)エリート官僚たちが「共産党独裁はロシアの発展を害する」と認識し、“イワン雷帝orピョートル大帝時代のロシア固有の政治体制にいったん戻ろう”との秘めてきた方針が現実化したこと。

 この二つを牽引車にして、ソ連共産体制を自壊させることをロシア支配階級は英断をもって選択したのが、1991年であった。この歴史事実が明らかにするように、このきっかけがレーガンの対ソ核戦力の大増強で、これが無ければ、ソ連邦崩壊は万が一にも起きていない。

 国際政治学に関する池上彰の無教養ぶりは、大目に見て不問としよう。が、マルクス『資本論』を1㍉たりとも理解できない、それなのに矢鱈目鱈にマルクスに狂う池上彰の狂気は看過すべきではなかろう。池上彰にとってマルクス『資本論』は、仏教徒にとっての般若心経のような“有り難い経文”と同じで、信仰・狂信の対象。冷静・客観的に『資本論』を学問的に解剖する能力も意識も彼にはむろん皆無である。


マルクス経済社会学は、恐怖で需要を強制する「プロレタリアート=神」のカルト宗教


マルクス経済学などどこにも存在しない。なぜなら、それは経済学ではなく、敢えて「学」を付けても「経済社会学」がやっとの“社会学”にすぎないからだ。まず第一に、計画経済は、ミーゼスが証明したように、市場からしか発生しない需要と供給の情報がなく、計画できないから、計画経済の成立自体が万が一にもあり得ない。ミーゼス『ヒューマン・アクション』(注9)も読んでいない/読ませない東大経済学部ほか日本の大学は、学問の場ではなく、実態的にはカルト宗教の教宣道場。  

 第二に、「階級」とか「搾取」とかの用語駆使は社会学であって、経済学ではない。第三に、労働価値説は、縄文時代ならともかく、産業革命後の社会以降では現実を大きく遊離した馬鹿げたスーパー妄想。その他、池上彰の中高校生を騙し洗脳するのを目的とした『高校生からわかる《資本論》』を所狭しと埋め尽くす無数の欠陥と誤謬については、言及したいが、ここでは割愛する。

 マルクスは、人口50人規模の原始時代のミニ部族では成立する計画経済が、数千万人の大規模近代社会でも成り立つと狂妄した。その結果、ソ連が典型的だが、需要に応じた供給はできないから、供給に従った需要しか要求しない被抑圧状態が快感の異常人間への改造が、ソ連計画経済の中核となった。つまり、命令需要の恐怖体制である。これに違反した人間は、“共産主義的でない”と烙印を押され、刑法の「反体制の罪」で、処刑やシベリア強制重労働キャンプ収容が強制された。

 カンボジアの共産主義者ポル=ポトは、一食しか欲しないのが共産主義的人間であり、三食食べたいと考える人間を反・共産体制の罪においてすぐさまその場でスコップその他で殺しまくった。病院に行きたいとか医者に診てもらいたいと言った者もすべて直ちに処刑した。カンボジアでは、1975~79年の僅か四年間で人口800万人のうち四分の一の200万人以上が殺された。

 マルクスが「ルソー→サン・シモン」から敷衍させて妄想した計画経済体制は、大量殺人や即刻重罰の恐怖なしには成立しない。独裁権力者は国民を殺したいだけ殺せるとの理論を、人類初に提唱したのが、ルソーの『社会契約論』。このルソーの狂説を忠実に実行したのが、「ロベスピエール→レーニン→スターリン/毛沢東/ポル=ポト等」であった。

 この殺戮や強制収容所の恐怖だけでなく、計画経済体制とは需要と供給を計画する独裁権力が人民を無限に搾取する体制でもある。これはルソー『人間不平等起源論』の狂信から生まれた“私有財産の否定”の必然で、独裁権力がすべての財産と資本を独占する事にほかならず、それこそ私有財産と不可分の“人間の自由”まで全て剥奪して、自由をゼロとする暗黒の体制となる。以上の指摘内容は、机上の理論ではない。今も北朝鮮の金正恩が実践している。つまり、北朝鮮やかつてのソ連が完全に証明した実験済みの、しかも学問的な理論が導く絶対真理である。


日本の貧困は、過剰福祉策が必然の主因、また労働市場への政府過剰介入も主因


化石魚シーラカンスが深海からぬっと顔を覗かせたような池上彰の時代錯誤も甚だしいマルクス信仰は、マルクス『共産党宣言』を寝る時でさえ布団に入れて手放すことのない“稀代の共産主義者”的場昭弘と一緒にマルクスを拝む修験において、ますますその狂気の度を深めたもの。このことは、池上彰の親友・的場昭弘の『マルクスに誘われて―みずみずしい思想を追う』『マルクスだったらこう考える』等を読むと、池上彰は、『マルクス/エンゲルス全集』の完全復元作業に生きる的場昭弘のカルト宗教「マルクス狂」の延長上で“阿片中毒的なマルクス狂徒”になっているのが判る。  

 日本共産党の筋金入り優等生党員である池上彰/的場昭弘/湯浅誠らは、極度に経済学を全く知らない異常な経済学音痴集団。単純化した表現をすれば、彼らはマルクスの“血塗られた悪魔の教典”『資本論』『共産党宣言』の二冊以外、何一つ読んだことが無い。ために、教祖マルクスが樹立した19世紀カルト宗教の狂信状態にどっぷりと埋もれている反・経済学徒になるしかない。  

 無学・無教養な“赤の権化”池上彰は、ヒトラーとナチ統制経済に捧げたベンサム系全体主義者ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』を、市場重視の自由主義経済学論の一つだと思い込んでいる。だが、ケインズは、マルクスとはルソーを元祖・源流とする親族である。ケインズもまた、「マンドヴィル→アダム・スミス/デイヴィッド・ヒューム→ミーゼス→ハイエク」や「コーク→エドマンド・バーク→レプケ」の経済学とは対極的な位置にある。

 ミーゼス/ハイエク/レプケの系譜にある経済学徒にとって、カルト宗教のマルクスも(私有財産制を認めるだけの)極左全体主義のケインズも、ともに自由社会が排除すべき猛毒の有害思想。日本でケインズを最初に講義したのは1930年代後半の東京帝大経済学部だが、ゴリゴリのマルクス主義の教授が担当した。ケインズとマルクスが同族の経済思想である以上、当然の成り行きだろう。  

 今日、日本が貧困化しているのは事実だが、それは資本主義が原因ではなく、全くの逆。日本がマルクスやケインズを吸引し過ぎたことが原因となって、必然的に発生する病気が「貧困」である。日本のように飛び抜けた世界最大の“ばら撒き福祉”の超福祉国家は、それ故に、国家財政も、国家の経済基盤も、国民の経済的自立の精神も、根底から腐食して突き崩す。よって国家・国民がだんごになって“貧困”の奈落へと転がり落ちる。「貧困」からの脱出は、日本が国民挙げて“脱福祉”を決断する以外に道はない。

 しかも日本は、豊かな賃金を支えてきた、市場原理への尊敬と民族に息づく雇用伝統・慣習への尊重において成り立つ自由社会の雇用制度(spontaneous order)を、1986年の男女雇用機会均等法から、平気で破壊し続けてきた。伝統や慣習に基盤を有さない雇用制度は、労働者・勤労者の所得を限りなく低下させる。

 共産党員と中核派・革マル派出身者が事務次官を含め全ての局長ポストを握る(スターリン時代のソ連の官庁かと紛う)厚労省の言いなりに、「働き方改革」とか「輝く女性」とか雇用制度を計画経済体制並みに破壊し尽す安倍晋三によって、日本の貧困病は、今後加速的に重病化していく。


「なんだ、そうだったのか、池上彰の子供向きテレビ授業は全て真赤な嘘だったのか」


話を池上彰の『高校生でもわかる《資本論》』に戻すとしよう。“天性の嘘つき屋”池上彰は、次のような歴史の偽造をする。大東亜戦争に最も反対したのは、昭和天皇、幣原喜重郎、吉田茂ら保守系外交官グループ、大蔵官僚の多数、小林一三らの市場経済派の財界人たちであった。だが、池上彰は、詐欺師でも口にできない、次のような真赤な“逆立ち嘘歴史”を平気かつ大声で語る。

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「大東亜戦争に戦争前から反対した人たちがいた。その人たちは日本共産党や日本共産党以外でもマルクス主義という考えを持っている人たちだった」
「この人たちがみんな弾圧されて刑務所に入れられていたんだよね、戦争中は。」(注10)。 
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 今ここで頭に浮かんだまま1930年~45年のマルクス主義者をリストする。誰が刑務所にいつ収監されていたか、誰が戦争に反対したか、池上彰よ、回答されたい。  

 脇村義太郎、大森義太郎、大内兵衛、有沢広已、宇野弘蔵、向坂逸郎、東畑精一、加田哲二、野呂栄太郎、山田盛太郎、土屋喬雄、平野義太郎、櫛田民蔵、猪俣津南雄、中山伊知郎ほか。

 経済学者でなく、それ以外の分野でのマルクス主義者ならもっとたくさんいる。彼らは刑務所に収監されていたのか。彼らは大東亜戦争に反対したのか。池上彰の作り話は、底なし沼である。

 要するに、上記のリストを見るだけでもわかるが、大東亜戦争に反対したマルクス経済学者やマルキストなどいない。池上彰は、事実を全く逆にしている。マルキストこそが、大東亜戦争に反対する国民を「軟弱」「非・国民」などと罵倒して、強引に大東亜戦争を拡大させ続け、ついには対英米の太平洋戦争へと日本国民を煽動・誤導したのである。佐々弘雄らマルキストのみが編集を独占していた朝日新聞の、その1937年7月から八年間にわたる“連日の大東亜戦争讃美キャンペーン”を読み返せば、小学生でもわかる事。  

 また、池上彰よ。帝国陸軍の中のマルクス経済学狂のエリート軍人は、刑務所に収監されたのか、それとも大東亜戦争の開戦を煽り、その推進に旗を振ったのか。はっきりと回答されたい。

 現実の歴史事実では、帝国陸軍こそが、マルクスとスターリンに狂って計画経済を唱道したのである。1934年10月、陸軍は自分の軍事費で『陸軍パンフレット(=「国防の本義とその強化の提唱」)』を60万部も出版したが、それは全編、「マルクスに従って、計画経済を導入せよ」のアジ文書であった。

 池上彰よ、このパンフレットを書いた鈴木貞一、池田純友、四方諒二の三人は、刑務所に入ったのか、それとも出世したのか。鈴木貞一は閣僚である企画院総裁まで上り詰め(陸軍中将)、スターリン型計画経済の導入と対英米戦争の旗振りをした。1941年11月5日の御前会議の前に開かれた閣議で、東条英機が昭和天皇のご命令通りの対英米戦争の取りやめを決定できなかったのは、“教条的なマルクス経済学狂”鈴木貞一ががなりたてる対英米戦争強硬論を抑えることができなかったからだ。こんな初歩的歴史ぐらいは、嘘つき池上彰でも知っていよう。

 あるいは、大東亜戦争の嚆矢である「対蒋介石戦争(日中戦争)」を、1937年7月、近衛文麿が独裁者然として開始したが、近衛文麿こそ河上肇の愛弟子で、マルクス経済学の狂信者だった事実も、池上彰よ、知っていよう。このことは、近衛文麿の京都帝大の学士論文を読めば、瞬時にあきらかなこと。池上彰よ、近衛文麿の学士論文ぐらい読んだらどうだ。そして、近衛文麿が対世論工作のために影響ある知識人を集合させた昭和研究会は(注11)、“ソ連工作員”尾崎秀実を挙げるまでもなく、そのほとんどがマルクス主義者だった。

 マルクス狂こそ、最凶の戦争主義者である。日本が平和を欲するならば、池上彰や日本共産党を筆頭に、マルクス主義者を日本から一掃する事が絶対に必要である。マルクスや共産主義思想に傾倒したもので、戦争狂にならないことは万が一もあり得ない。戦争は積極的に開戦してもできるが、隣接国のロシアや中共に対日侵略させる受け身のやり方の戦争もある。

 戦争狂のマルキスト池上彰は、後者の形態で日本全土を阿鼻叫喚の戦争に巻き込もうとしている。そうでなければ、上記のような真赤な嘘歴史を捏造などしない。以上の簡単な私の指摘に、もし愛国心がある読者なら、「なんだ、そうだったのか」と納得し、「池上彰が、テレビを使って嘘だらけの子供向け授業をしていた理由は、なんだ、これだったのか」と怒りに拳を震わせるだろう。


墓石の下から菊池寛と池島信平が怒る、編集社員の八割が共産党員の文藝春秋社


 ところで、さる三月号の『文藝春秋』誌は、「総力特集 日本の教育を立て直せ」と銘打って、教条的な共産党員・池上彰とコミュニストでソ連工作員だった吉野源三郎の息子との対談「父・吉野源三郎の教え」を掲載している。だが、この企画もこの対談内容も、「日本の教育を立て直せ」が嘘ラベルで、実際のモチーフは「日本の赤化教育をもっと共産革命一色にせよ」である。この企画をした編集長の大松芳男は、文藝春秋社きっての共産党員である。  

 『文藝春秋』と言えば、日本文学を護るべくプロレタリアート文学を一掃せんとした菊池寛や、戦後の『世界』『中央公論』の共産革命煽動に抗して、「反共こそが、日本を守る」を旗幟とした池島信平を思い出す。が、今ではすっかり様変わりで、『文藝春秋』はかつての『世界』に成り下がり、共産党一色になってしまった。上記の池上彰の対談も、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』を教科「道徳」の副教材にしようと図る共産党の意向を踏まえてのもの。道徳教育の副教材と言えば、新渡戸稲造の『武士道』とスマイルズの『品性論』がベストなのは言うまでないが(注12)、スマイルズの道徳四部作など、“共産党の機関雑誌”に化した『文藝春秋』は、名前すら触れることはしない。  

注  

1、ルソーのカルト「平等教」とマルクスのカルト「階級打破教」がモチーフの、共産革命に誘う洗脳作品『路傍の石』は何度も映画された。私は1955年、小学校5年生の時、赤い教師の映画館引率のもと松竹製作「路傍の石」を鑑賞させられた。その前年の小学校四年生時の映画鑑賞は、同じく松竹製作で、“ゴリゴリの共産党員”壺井栄が原作者の「二十四の瞳」だった。 「路傍の石」の方は、“現実から遊離した創り話性”が見え見えで馬鹿馬鹿しくてほとんど観なかったが、「二十四の瞳」の方は感動しながら観てしまった。高峰秀子の名演技には子供ながら何度も涙を流した。この「十歳では洗脳され、十一歳では洗脳されなかった」体験は、後年における国際政治学者として“ヒトラーやレーニンのプロパガンダ術”を研究するのに役立った。  

2、吉野源三郎『平和への意思』、岩波書店、341~2頁にも再録されている。同書338~9頁。  

3、吉野源三郎『同時代のこと―ヴェトナム戦争を忘れるな―』、岩波新書。  

4、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』、岩波文庫、298頁。  

5、私立の武蔵高等学校中学校の校長・梶取弘昌は、教条的な共産党員だと考えられる。そうでなければ、保護者から預かっている中学二、三年生を、“稀代の共産主義者”池上彰の赤い毒牙に提供して共産革命の戦士に仕立てあげるなど、まともな教育者なら決して避ける教育犯罪を平然とするわけがない。  

6、公共物の日比谷公園を不法占拠して「年越し派遣村の村長」を自称した湯浅誠には『反貧困』(岩波新書)『湯浅誠が語る現代の貧困』(新泉社)など、共産党が背後で指揮する反・貧困運動の煽動本が多数。菅直人や辻元清美とも昵懇な同志なのは、血統が同じだからだろう。まさに「池上彰=湯浅誠←(親友・同志)→菅直人」関係構図によって、池上彰は北朝鮮人で日共党員の菅直人とも間接的な同志関係ということになる。  

7、池上彰『記者になりたい』、新潮文庫、21頁に、「新聞記者が《社会の悪》と勇気をもって全面対決する。僕はこれに憧れた。・・・特に、朝日新聞の夕刊に連載された本多勝一記者の《戦場の村》は衝撃的だった。・・・本多記者はアメリカ軍と戦う解放戦線(=共産軍)のゲリラの村に潜入し・・・」とある。周恩来に巨額の金品をもらって書いた“真赤な虚偽満載小説”『中国の旅』を読めば一目瞭然であるように、血統が北朝鮮人で、日本を心底から憎悪しあらん限りの嘘を捏造しては日本を誹謗し続ける大嘘製造機械が本多勝一の正体であった。が、池上彰は、“大嘘付き”北朝鮮人・本多勝一の(金日成と同じ)日本憎悪と米国敵視がたまらなく痛快で心底から傾倒。過激な共産主義者であるのを共通項として、池上彰とはまさに“大嘘製造機械・本多勝一のクローン”。  

8、池上彰『高校生からわかる「資本論」』、集英社、22頁。  

9、ミーゼス『ヒューマン・アクション』、春秋社。第26章などを参照されたい。

10、上掲『高校生からわかる「資本論」』、23頁。  

11、酒井三郎『昭和研究会』、TBSブリタニカなどが、そのメンバー割り出しに参考となろう。  

12、中川八洋『教育を救う 保守の哲学』、徳間書店、20~1頁。