2012年7月17日火曜日

「新自由主義」という極左用語を使う社会主義者たち

ここ最近「新自由主義」という言葉が氾濫していますが、その言葉の語源はどこにあるのでしょうか?
(もともとは、フランス革命にかぶれたベンサム発の「自由放任(レッセ・フェール)」「やりたい放題の自由」「放縦の自由」「奴隷の自由」ではない、「"法(自生的秩序)"の支配の下の自由」「美徳ある自由」という意味での、「本来の保守主義における自由」を意味する比較的マイナーな言葉でした)

(ご参考)
・P.F.ドラッカー「経済人の終わり-全体主義はなぜ生まれたか」(ダイヤモンド社)
・F.A.ハイエク「ハイエク全集Ⅰ-5 自由の条件Ⅰ」(424頁)、
・F.A.ハイエク、西山千明「新自由主義とは何か-明日を語る」(西山千明訳、東京新聞出版局)→このハイエクとの西山千明氏の対談本の中で西山千明氏が「放縦の自由」と区別するため「新自由主義主義」という日本語を用いて訳した。

しかし、簿記2級の知識もない無学な「自称経済評論家」三橋貴明によると、こういうことらしい。

http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2011/05/03/012632.php

『ショック・ドクトリンの元祖は、新自由主義の本家たるミルトン・フリードマンである。フリードマンは、新自由主義の本家として「完全なる自由主義経済」を主張し、ケインズ型の政策を批判した』


『フリードマンは、1930年代の大恐慌すらも、市場の失敗ではなく、政府の失策が原因だと主張しているのである。具体的な新自由主義の方策として、フリードマンは「あらゆる政府の規制の緩和」や、「徹底的な経済の対外開放(貿易の自由化)」などを主張している』




http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11129925256.html

『しかも、アメリカはミルトン・フリードマンやシカゴ学派による、「歴史や伝統、文化に基づく既存の仕組みをわざわざぶち壊して、強引に経済の自由化を図った挙句、国内の格差が極端に拡大する」
という、
「それは絶対にフリードリヒ・ハイエクが言った『自由主義』とは違うだろ!」
 と力の限り叫びたくなるような政策、すなわち「新自由主義」の元祖で、自国のみならず他国に対しても一部の投資家、大企業に所得が集中する「資本主義」を「強要」し、各国の中間層を貧困に叩き落としてきました。こんなものを「健全な資本主義」などとは、わたくしは絶対に呼びたくないわけです


嘘!嘘!嘘!の羅列


三橋貴明、西部邁、中野剛志、藤井聡ら、赤い扇動家の話を聞いていると、まるで、フリードマンとハイエクの主張が、全然違うかのように聞こえてきます(ハイエクは擁護、フリードマンは徹底的に貶める)。


では、実際に、ハイエク自身の主張を見てみましょう。



『ミルトン・フリードマンと私(ハイエク)は、通貨政策を除くほとんど全てのことで意見が一致するのです』(「ハイエク、ハイエクを語る」名古屋大学出版会、186頁)


この時点で、ブー!終了!


この赤い扇動家たちの虚構を暴くため、さらに検証します。




フリードマンは、ハイエクが組織したモンペルラン協会の設立メンバーの一人。
(モンペルラン協会:アダム・スミス、エドマンド・バーク、ジョン・アクトン、トクヴィルらの潮流に属する「保守主義」「自由主義」を守るため、経済学者、歴史学者、哲学者らを招き、ハイエクにより1947年に設立された)

この新しい団体の名前は別として、綱領には、アクトン卿の名に並べ、ブルクハルトの名と、さらに、この二人と共通点が多いフランスの歴史家、アレクシス・ド・トクヴィルの名を加えることが望ましい。この三人の名が並べば、アクトン卿一人の名より、その基本となる政治理念がいっそう明らかになるであろう。その理念に導かれることで、歴史は、将来のヨーロッパが必要とする政治的再教育の一翼を担うことができる。なぜならば、この三人は他の誰にもまして、偉大な政治哲学者、エドマンド・バークの伝統を受け継いでいるからだ。アクトン卿はバークを評して、「彼の秀でたるところは、イギリスの秀でたるところであった」と言っている」(F.A.ハイエク「ハイエク全集Ⅱ-5 政治学論集」17頁)

(モンペルラン協会・ホームページ)
https://www.montpelerin.org/montpelerin/mpsAbout.html







保守の仮面を被った赤い扇動家が貶めるような、

・「あらゆる政府の規制の緩和」
・「徹底的な経済の対外開放(貿易の自由化)」

を、フリードマンは主張していたのでしょうか?


・『自由市場が存在するからと言って、けっして政府が不要になるわけではない。それどころか、「グームのルール」を決める議論の場として、また決められたルールを解釈し施行する審判役として、政府は必要不可欠である。ただし市場は、政治の場で決めなければならないことを大幅に減らし、政府が直接グームに参加する範囲を最小限に抑える役割を果たす。政治を介して何かをする場合、どうしても多数派に従わせる結果になりがちだ。これに対して市場は多様性に対して寛大であるという大きな利点がある。政治の言葉で表すなら、市場は比例代表制である。自分が欲しい色のネクタイに一票を投じ、手に入れることができる。多数派が欲しがるのは何かを気にする必要はないし、自分が少数派だったとしても多数派に従う必要はない』(フリードマン「資本主義と自由」日経BP社、44~45頁)

・『(外国為替相場において)変動相場制を導入すれば、財とサービスの自由貿易を効率的に推進できるようになる。唯一の例外は、共産圏への戦略物資の禁輸など、純粋に政治的、軍事的理由から妥当と考えられる計画的介入にとどまろう』(フリードマン「資本主義と自由」日経BP社、144頁)


三橋貴明、西部邁、中野剛志、藤井聡らは、明らかに嘘八百のデマを流しています!


少し本を読めば扇動家の嘘は容易に見破ることができます。


この近年の新自由主義なる言葉の出処は、これ
米国在住の極左であるデヴィッド・ハーヴェイの著書


「新自由主義 その歴史的展開と現在」(2007年2月初版、作品社)


※作品社の「社会学」分野は左翼の出版物ばかり
http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/shakai-list.htm

論壇で、やたらと「新自由主義」という資本主義への倒錯した罵倒が行われるようになったのは、この本が出版されてから(2007年以降)です。

例:「西部邁 新自由主義」の2006年までのgoogle検索結果←ここをクリック)
⇒西部自身が、この極左本の出版以前に、「新自由主義」という言葉を市場経済罵倒のために使った形跡無し。つまり、西部邁とその一派は、この保守主義・自由主義とは対極の、極左・全体主義信奉者の本を源泉として「新自由主義」という言葉を使うようになりました。


このデヴィッド・ハーヴェイの著作には、次のことが書かれています。

・『新自由主義とは何よりも、強力な私的所有権、自由市場、自由貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約(注:ウソ。ハイエクもフリードマンもバークもアダム・スミスもそんなことは一言も言っていない)に発揮されることによって人類の富と福利が最も増大する、と主張する政治経済的実践の理論である。国家の役割は、こうした実践にふさわしい制度的枠組みを創出し維持することである。たとえば国家は、通貨の品質と信頼性を守らなければならない。また国家は、私的所有権を保護し、市場の適正な働きを、必要とあらば実力を用いてでも保障するために、軍事的、防衛的、警察的、法的な仕組みや機能をつくりあげなければならない「さらに市場が存在しない場合には(たとえば、土地、水、教育、医療、社会保障、環境汚染といった領城)、市場そのものを創出しなければならない―必要とあらば国家の行為によってでも(注:ウソ。ハイエクもフリードマンもそんなことは言っていない。参考・フリードマンの上記発言。ハイエク「隷属への道」春秋社、171頁)。だが国家はこうした任務以上のことをしてはならない。市場への国家の介人は、いったん市場が創り出されれば、最低限に保たれなければならない。なぜなら、国家は市場の送るシグナル(価格)を事前に予測しうるほどの情報を得ることはら、この理論によれば、国家は市場の送るシグナルできないからであり、また強力な利益集団が、とりゎけ民主主義のもとでは、自分たちの利益のために国家介入を歪め偏向させるのは避けられないからである(10頁~11頁)。』

・『新自由主義への転換を正当化しうるのに十分な民衆的同意はどのようにして生み出されたのだろうか?これにいたる回路は多様だった。企業やメディアを通じて、また市民社会を構成する無数の諸機関(大学、学校、教会、職業団体)を通じて、影響力のある強力なイデオロギーが流布された。かつて ー九四七年にハイエクが思い描いた新自由主義思想は、こうした諸機関を通じた「長征」を経て、企業が後援し支援するシンクタンクを組織し、 一部のメディアを獲得し、知識人の多くを新自由主義的な思考様式に転向させて、自由の唯一の保証としての新自由主義を支持する世論の気連をつくり出した。こうした運動はその後、諸政党をとらえ、ついには国家権力を獲得することを通じて確固たるものになった。
伝統や文化的価値観に訴えることは、この全体にわたって大きな比重を占めている。少数のエリートの経済権力を回復させる企図をあからさまに出せば、おそらく十分な民衆的支持を獲得しえないだろう。だが、個人的自由の大義を前進させるための計画的な試みという装いをとるならば、大衆的基盤に訴えることができるし、階級権力の回復という狙いを偽装することもできる。またいったん国家機構が新自由主義的なものに転換してしまえば、その権力を用いて、説得や取り込み、買収、脅迫を行ない、その権力を永続化する上で必要な同意の風潮を維持することができるだろう。これこそ、これから見ていくように、サッチャーやレーガンの得意とする手段だった。(61頁)』


⇒共産主義の総本山・ソ連を崩壊させたサッチャー、レーガン、そしてハイエクらを罵倒 !


・『スウエーデン市民は、いまだ自国の福祉制度に強い愛着を抱いていた。不平等は確かに広がったが、アメリカやイギリスで見られるほどではなかつた。貧困水準は低いままだし、社会的給付の水準は高く維持されていた。スウエーデンの事態は「限定された新自由主義化」と呼びうるものであり、同国における種々の社会的指標がおおむね高い水準に維持されていることはその表われである。』

⇒犯罪発生率は日本の7倍、離婚率5割、強姦件数は毎年過去最高記録を更新する「福祉国家」スウェーデンを絶賛 !


ちなみに、もう少し前のデヴィッド・ハーヴェイの著書「ポスト・モダニティの条件」(1999年12月初版、青木書店)には、こんなことが書かれています。

※青木書店は筋金入りの極左出版社
 http://www.aokishoten.co.jp/contents/list/index.html


マルクスがあらゆる資本主義的生産様式の根本をなすとした不変の諸要素と諸関連が、現在もなお、フレキシブルな蓄積にきわめて特徴的な、あらゆる表面に漂っている泡としだいに消えてゆくものを通して輝いており、しかも多くの場合、これまで以上に輝いているのを知るのは、むずかしいことではない。(243頁)


・差異と「他性」は、(階級や生産諸力のような)より基本的なマルクス主義の諸範疇に付け加えられるものとしてではなく、社会変動の弁証法をとらえようとするいかなる試みにおいても、まさにその試みがはじめられる段階から偏在するものとして扱われるようになった。(貨幣と資本循環とを強調する)史的唯物論的探求と(解放のための闘争の統一を強調する)階級政治という全体の枠組みの中で、人種、ジエンダー、宗教のような社会組織の諸側面に再び光があてられるようになったことは、いくら評価されても評価されすぎということはない。(458頁)


⇒ハーヴェイは自らマルクス主義者であることを堂々と主張!




近年になって「新自由主義」なる言葉で資本主義、自由主義を罵倒する者は、デヴィッド・ハーヴェイを始祖とする極左そのものです。


思想本籍がバレバレですね。




2012年7月15日日曜日

TPP反対屋の虚構


三橋貴明、中野剛志、東谷暁、関岡英之、さらにはチャンネル桜、"政治団体"「頑張れ日本!全国行動委員会」、そしてJA(農協)、日本共産党らがしきりにTPPに反対する理由は何なのでしょうか?



「TPPで日本の農業は壊滅する」「日本から水田が激減する」「モンサント社が~」「BSEが~」などといった話をよく聞きますが、果たして、どこまで事実なのでしょうか?

あるいは、何か大きな利権、重要な事実関係の歪曲・隠蔽や、彼らの統制経済へ憧れからくるものがあるのでしょうか?

以前に当ブログでは三橋貴明や中野剛志の「TPP亡国論」のデタラメぶりを特集しましたが、さらに踏み込んでみたいと思います。

今回は特に大きな問題である日本の農業について、TPP反対派の虚構を暴いてみたいと思います。



【三橋貴明、週刊金曜日、日本共産党ら、"オール左翼"の主張】

①「デフレだから自由貿易に反対」
三橋貴明のブログより
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11299395025.html
「そもそも、TPPなどの自由貿易協定は、『供給を増やす』発想であり、デフレを深刻化させる。TPPに入ると『物価が下がりますよ』などと煽っている愚かな連中がいるが、デフレの国が物価を押し下げる政策をやって、一体どうするのか?」

⇒馬鹿につける薬はないですね。

「供給を増やす」主体は民間部門であり、政府部門の仕事ではありません。
要するに「作るな」と為政者が民間部門に命令することになります。

以前も言いましたが「デフレ期だから保護貿易」「インフレ期だから自由貿易」なんてことをするのは、統制経済信奉者でしかありえない発想です。

「インフレ期」に海外に生産拠点を持ったメーカーが「デフレ期」にいきなり高額の関税を掛けられたり、あるいは海外部門からの必要な部品調達ができなくなったらどうするのでしょうか?

つまり「民間人はバカだから、オレ様が市場に命令してやる」ということですね。

三橋貴明は、相当自分の学識や実務経験に自信があるのでしょう。


14年間に10社を転々とした経歴について
https://twitter.com/tk_mitsuhashi/statuses/10768689780

(逃げられないように魚拓)
https://twitter.com/tk_mitsuhashi/statuses/10768689780

本人曰く、「10回の転職は全て正社員だった」

三橋本人のみならず、自民党も、このような候補者を立てたことについて、説明責任を果たすべきですね。経歴詐称だと思うのは、私だけでしょうか?



三橋貴明のモンサント社陰謀論 『住友化学とモンサントの「長期的協力関係」に愕然とした方は、↓このリンクをクリックを』
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/day-20111021.html
三橋貴明のブログには上記のことが書かれています。
要するに、遺伝子組み換え食品がいけないらしい。


どっかで似た主張を見たことがあるなぁ、と思っていたら、奇形の極左雑誌「週刊金曜日」に同じことが書いてありました。

週刊金曜日ニュース TPP拙速議論に反対の声が高まる一方……推進派・米倉経団連会長は利害関係者
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1337

ついでに、日本共産党の「しんぶん赤旗」も同様
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-03-19/2012031906_01_1.html



『TPPで損をするのは農業』
三橋ブログより
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10809069793.html
『貿易自由化で安い食料が輸入されれば消費者は恩恵を受ける。だが、輸入品が安くなると競合する国産品が洵汰され、雇用が失われる。例えば、国産米や国産牛が安価な米国産米や米国産牛との競争で駆逐され、コメ農家や畜産農家の多くが失業する。さらに、例えば牛丼が安価になれば、競合する他の食品産業は人件費のカットで対抗するため雇用を削減する。農家や食品関連産業で失業者が増えれば、労働市場全体が供給過剰になり実質賃金が下がる。そして、日本が10年以上も苦しむデフレが悪化するのだ』


いい加減にしてほしい。「何を食べるか」「何を消費するか」を決めるのは消費者であり、為政者に強制されるものではありません。

売り手は、買い手が満足するものを提供するのが仕事。

それを否定するのは、計画経済以外の何ものでもありません。
必然的に闇経済の助長と、中共や北朝鮮のような悪性超格差社会の到来をもたらします。




【解毒薬】
以下の主張をご紹介します。


『ハイエク、ハイエクを語る』(名古屋大学出版会)

すべての関税と農家への価格パリティーを廃止すれば、隷従への道を回避する確実な手段となるでしょう」(137頁)



『隷属への道』(F.A.ハイエク著、春秋社)

・「経済的自由の放棄と隷属とは、相互に切れない関係にある」(8頁)
・「統制経済体制・社会主義と対比させながら主張する個人主義とは、利己主義や自己中心主義とは何の関係もない」(9頁)





『ハイエク全集Ⅱ-4 哲学論集』(F.A.ハイエク著、春秋社)


「人間の知がもつ克服不能の限界についての認識から、社会を研究する者は謙虚さの教訓を学ぶべきです。その教訓は、社会をコントロールしようという破滅に導く奮闘の共犯者になってしまうことを防いでくれるでしょう。その奮間は、彼を仲間にたいする暴君にするばかりでなく、どんな個人の脳によっても意図して作られた訳ではないが何百万人のの個人の自由な努力から育ってきた文明の破壊者にしてしまうのです」(90貢)





『日本の農業が必ず復活する45の理由』(浅川芳裕著、文藝春秋)



「遺伝子組換(CMとは、消費者が心理的に抵抗のある言葉の代表的なものの」と言えるでしょう。一般のマスコミではそれをいかに排除するかという話題を取り上げています。
イメージはそうでも、事実は意外です。GM作物は農産物の中で唯一、安全性が公認されている食品なのです。

(中略)

もちろん、GM作物もあらゆる食べ物と同じくリスクはゼロではありませんが、GM作物はリスク評価を終えないかぎり出回らない点は他と異なります。CM作物を食べることで、健康被害があった例はこれまで報告されておらず、流通しているもので危険性が心配されるような科学的な根拠も.切ありません。それでも「歴史が浅いからまだ分からない」、「人口的な改良だから不安」と拒否反応を示す人がいます。
それを言い出せば、現在私たちが食べる農産物、畜産物はほとんどすべて、人工的に交配したものか、人工的な突然変異によるものです。そもそも、摂取したGM食品のたんばく質は消化されれば体内に蓄積しませんし、むろん、子供に受け継がれることもありません。


(中略)

すでに私たちはふだんの食生活で″GM食品″をたくさんとっています。「スーパーでの買い物では『遺伝子組換不使用』ラベルしか見たことがない」と反論する方もいらっしゃるでしょうが、これはまぎれもない事実です。国産牛や豚、卵には、GM食品とは書かれていませんが、家畜の大部分は米国産GMトウモロコシをエサに食べています。食用油の原料になる大豆や菜種もGMが大半を占めています。
飼料用や油用には表示義務が無いため、私たちは知らないだけです。義務が無いのは、油はタンパク質を含まないからです。原料がGMか非GMかによる成分の違いが皆無だから、表示する理由が無いというわけです。畜産物も同じ理由で義務がありません。家畜はGM作物を食べていますが、体内にそのタンパク質が蓄積されないためです。
豆腐や醤油、納豆などにもGM大豆が一部使われていることがあります。「非遺伝子組換大豆」と書いてあっても、ゼロという意味ではありません。5%未満の使用では表示義務が無いのです。「ゼロにしろ」との主張もありますが、そう簡単ではありません。
日本は大豆の7割をアメリカから輸入していますが、アメリカ産の91%がGM大豆です。
非GMのほうがマイナーという状況で、日本の商社はアメリカの農家にプレミア価格を支払ってわざわざ非GM大豆を作ってもらっている状況です。混入がないよう特別に区分けして物流をさせていますので流通コストも余計にかかります。


(中略)


いろいろな心配をする人がいる中、どうしてGM作物が作られるのでしようか。一言で言えば農家が楽になるからです。仕事量が減るのです。たとえば、今までは農薬を生育中に5回撒く作物の場合、その回数だけ畑に入らなくてはなりません。それだけトラクターを動かしますから、燃料代や人件費もその分必要になります。そこで、除草剤抵抗性を持つGM大豆を導入すると、 一回除草剤を撒けば、あとは収穫まで畑に入らなくても大丈夫です。コストは節約できるし、品質も良い。その間、他の作業もできる。今までの音労が劇的に減る上、面積当たりの収入が増えます。
農業とは人類にとって長年、草と虫と病気との戦いでしたし、今でもそうです。それを克服するかなり有望な技術が登場したのです。まさに農家にとっては天恵のような発明です。誰がいくら反対しようが、作る人の圧倒的な支持を得ているわけですから、GM作物は今後も世界中で増えていくことは間違いありません。
GM作物は農家のためだけではありません。途上国での栄養改善にも役立てられています。経済条件のあまり良くない国では栄養失調が蔓延しています。先進国ならサプリメントをとったり点滴を打ったりできますが、そんな余裕はありません。そういうとき、たとえばビタミンAを強化したGMジャガイモを生産してもらい普及させます。ビタミンAの錠剤を作ろうと思っても、途上国では技術がなく工場投資する資金もなかったり簡単にはできません。でも、それが最初から作物の中に入っていれば、ただ栽培すればいいわけです。
農家が簡単に作れ、安く日常食として広げることで、栄養改善につなげようという試みです。(146貢~150貢)


要するに、
・遺伝子組み換え食品は普段から私達日本人が普通に口にしている。
・遺伝子組み換え作物が無くなったら、逆に食料品価格が暴騰する
・遺伝子組み換え作物は発展途上国の栄養改善にも役だっている
ということ。


これに反対しながら、遺伝子組み換え作物によって育ったお肉を食べ、日常的に醤油を使いているのが現状。
それが嫌なら、全て自給自足で、無農薬の食品のみを食べてね!
もちろん、コンビニ弁当なんて論外です!




(続く)


2012年7月6日金曜日

福岡市終了宣言?

7月3日の「地球は一つ」「年間800人の中国人公務員を受け入れる」と突如発表した高島宗一郎・福岡市長の言動には、耳を疑いました。

 
「福岡市を人と環境の調和のとれたアジアのリーダー都市にしたい」そうです。


<会見の要旨>

http://www.city.fukuoka.lg.jp/f-channel/ch1/index.html
はっきり言って、この会見内容のほとんど全てが無茶苦茶なのですが、あえて、要点に絞って 突っ込んでみました。(赤字は発言内容矢印はブログ主のツッコミ


 ・「福岡の高度な環境技術を中国でも生かしてほしい」


  ⇒個々の「技術」は役所が作り出すものではなく、民間企業や大学の研究者達が必死に開発したもの。中共はそれを盗むだけです。(生物兵器等への軍事転用の可能性もあり

福岡(というか日本)はこうなるのでしょうか?




「福岡が持っている技術をビジネス化したい」


  ⇒ビジネスは民間の仕事であり行政の仕事ではありません。


「地球は一つ」


  ⇒ルーピーの「日本列島は日本人だけのものではない」とほぼ同義  




「年間約5億円の経済効果がある」

⇒わずか年約5億円(福岡市役所自体はおそらく大赤字)のカネで福岡市民の生命・財産と、日本国を売り飛ばすつもりらしい


「稼ぐ都市を具体化する」


  ⇒行政の役割が全く分かっていない。法(慣習を含む)の下の福岡市民の自由と財産を守ること以外、余計なことはすべきではない。


「他の自治体にも広げていきたい」


  ⇒この市長は狂牛病のようです。  


「温室効果ガスが半減できる」


  ⇒まだCO2地球温暖化犯人説を信じているらしい。大体、一週間後の天気の予想も、3ヶ月先の気候の予測も当てることができないのに、なぜ地球温暖化とCO2が関係があるの?京都議定書からは、とっとと脱退しましょう。


「環境問題には国境を越えて取り組むべき」


  ⇒直ちに中共に黄砂対策をさせ、日本は中共に対して賠償金を請求しましょう(当然、中共へのODA即時停止、円借款の回収を国会議員に訴えるべき)。

共産圏だった旧東ドイツでは環境問題が深刻でしたが、ベルリンの壁崩壊でドイツが統一され、自由主義国家に変貌すると、大幅に改善されたそうです。

シナの環境問題や毎年酷くなる一方の黄砂対策をしようとするなら、中国共産党を瓦解させるべきでしょう。
「東風21」など、日本列島を直ちに葬り去る準備万端の中共に対峙するために、アメリカ・台湾、あるいはインド、イギリスなどとも連携し、中共包囲網を築くべきでしょう。


「研修費用は中国政府が全て負担する。福岡市の負担は無い」 


⇒今回の覚書の締結のために要した費用(旅費等)も含め、全く福岡市民の税金が使われていないか、福岡市民の皆さんは厳しくチェックしましょう。
ところで、「研修」なるものを普通の民間企業が請け負う場合、当然、研修に対応するスタッフの人件費や諸経費等を賄うため、結構な金額を請求するのが当然です。

(ご参考:監理者養成学校の初級管理者養成コース 13日間合宿)
http://www.shainkyouiku.jp/basic/

⇒一人あたり324,300円也!


ちなみに、ブログ主も福岡市の自民党福岡市議団に問い合わせましたが、7月6日付けで締結される「覚書」の内容は、市議会には開示されていないようです。


当然、一般の福岡市民も知らない。 気になる情報は以下のとおり
    ↓
  https://twitter.com/someyakiiti/status/220684453721284608 
公明党市議団と高島氏政策協定 高島は市長選時に公明党市議団から支援を受けている。市議団の団長が黒子秀勇樹という公明党市議会議員

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/local/2010/fukuokashi/20101031/20101031_0002.shtml


黒幕はこの人物?

黒子秀勇樹・福岡市議(公明党、創価大学卒、自称「水問題の専門家」)

http://www.komei-fukuokacity.net/kuroko/

http://www.komei.or.jp/local_2011/profile/40137153/



高島市長と福岡市役所は、これによって民間企業の技術が中共へ流出した場合、どう責任を取るんでしょうね???

腹を切る程度で済まされる問題ではありません。

既にTwitter等でかなり拡散され、福岡市役所や福岡市議会議員にも苦情が殺到しているようですから、当ブログではこの程度にしておきますが、他の方のブログ等で抜けていると思われる問題があれば、今後も取り上げたいと思います。


※この記事は Twitterの「福岡ヤバイ ‏@someyakiiti」さんの情報を参考に作成させていただきました。